4月にもかかわらず、夏のような晴天の中、綾部にある「グンゼ博物苑」にて、グンゼの歴史や製品を展示した記念館の見学と、地元NPO法人の方を講師に迎えて「繭クラフト人形」作りを体験してきました!
グンゼ博物苑は、博物苑と記念館からなる施設で、経済産業省の「近代化産業遺産群33」に認定されています。まずは、グンゼ社員の方のご案内で、記念館から見学させていただきました。
▲大正6年に新築され、昭和25年まで本社事務所として使われていた記念館
▲レトロな内装の館内には、昔の機械や製品が展示されています
職員の方から、蚕から生糸を作るまでの工程や創業当時の機械、歴代の製品紹介、グンゼの歩みについてご説明いただく中で、特に記憶に残ったのが、「グンゼはもともと『郡是』と書いたこと」「社員教育・福利厚生への熱心さ」です。
『郡是』の由来は、「郡」=京都府何鹿郡(今の綾部市)と「是」=方針・進むべき道からきており、「地方産業の振興を第一の目的とする」という創業の主旨を示したのだそうです。カタカナやアルファベット表記のグンゼ/GUNZEになじんでいるので、とってもびっくりしました!
▲昭和15年の社内報には「郡是」が使われています
▲社名の由来のとおり、綾部の未来について真剣に考えていたグンゼ。写真は、昭和2年に目指していた50年後の綾部の姿を描いた巨大な図版。
グンゼは創業以来、人間尊重の理念に基づいて「人づくり」に熱心に取り組んでこられたのだとか。例えば、社員の健康のために玄米食や健康体操を推奨。裁縫や音楽、道徳など淑女教育にも力を入れてこられました。さらに、勤続8年でタンスを、社長賞として大きな振り子時計を授与したりと社員のモチベーションアップにも工夫されていたようです。
▲玄米を炊いて社員に食べさせていた、その名も「郡是式健康釜」!社員は、白米のほうが食べたかったとかなんとか・・・。
▲左:勤続8年でもらえるタンス
右:社長賞として授与される振り子時計
記念館の見学の後は、NPO法人綾部ベンチャー・ものづくりの会のみなさんのレクチャーのもと、「繭のクラフト人形」作りを楽しみました。
みなさん、繭はふわふわしていて柔らかいというイメージをお持ちではないでしょうか。ところが実際は、とっても固い殻のようなものなんです!工作用のナイフを使って切っていくのですが、パーツも細かい上、なかなか思うように切ることができず・・・。みなさん意外な繭の固さに悪戦苦闘しながらも、なんとかこいのぼりと猫ちゃんのかわいい人形を完成されていました。
▲繭は大体3センチ程度の大きさ。これを切って細かいパーツにするのは、なかなか骨が折れました。
▲串を刺すのも一苦労の固い繭・・・。
▲ようやく完成!作り手によって、猫の表情がひとつひとつ違う素敵な作品になりました。
綾部発祥の世界企業・グンゼの意外な一面と、めったに体験できない繭クラフトの盛りだくさんな1日でした!今後も、楽しいイベントをご案内していきますので、ご期待ください!