イベントレポート - Foret

「茂山狂言」第3回特別狂言会
暮らし彩る知恵の森「Foret」が誕生して2周年を迎えます。これを記念して、10月23日、池坊学園こころホールにて「茂山狂言 特別狂言会」が賑やかに開催されました。朝からの雨にもかかわらず、開場前から多くのお客様をお迎えし、会場はいつの間にかほぼ満席となりました。
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皆様の熱気が場内を巡る中、盛大な拍手で人気の若手狂言師、茂山逸平さんが登場。いつも観客を笑わせる、サービス精神旺盛の逸平さんが語る「狂言のお話」です。狂言は、650年くらい昔に始まったことや、能楽の中に狂言が位置づけられるなど、興味深い内容の数々。狂言を観るための、ゆるいルールの紹介など独得の語りで会場は爆笑の渦に包まれました。
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続いて最初の演目は「焼栗」。茂山七五三さん、茂さんが出演。主人に、40個の栗を焼くように命じられた太郎冠者。栗に切れ目を入れ忘れて跳ねさせたり、焦がしたり。焼き終わると、栗の見事さについ手が出て、とうとう全部食べてしまい、主人に言い訳をするというお話。栗を焼く滑稽な動きに皆さん笑いが絶えません。
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そして、休憩の後、あまりに可笑しい演目「蝸牛」。正邦さん、茂さん、逸平さんが出演。山伏が修行の帰り道、竹薮の中で寝入っていると、主人の言いつけで、長寿の薬になるという蝸牛を探しにやってきた太郎冠者。蝸牛は竹薮の中にいると教えられた彼は、そこで山伏を見つけてすっかり蝸牛だと信じ込みます。山伏と浮かれている所に、心配した主人がやってきて、「あれは蝸牛ではなく売僧(まいす)だと注意するのですが・・・。」愉快なストーリーと、舞台せましと踊る姿に狂言の楽しさが伝わってきました。
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演目の後は、Foretですっかりおなじみとなった、茂山家若手狂言師によるトークショー。正邦さん、茂さん、逸平さんのお三方に、予め会場のお客様から寄せて頂いた質問に回答を迫ります。学校で公演される、学校狂言についての感想や海外公演でのエピソード、伝統を受け継ぐプレッシャーについてなど、興味津々の質問が続きました。特に海外公演で、言葉の問題をどうするかについてでは、何と「バイリンガル狂言」。英語と日本語で語るそうです。また、字幕スーパーを入れますが、字幕と語りが微妙にズレたりしてタイミングがおかしくなるなど、苦労されているようです。
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そして、今後の活動については、「HANAGATA」「いっしょに遊びましょ。」など、新作狂言の情報もご披露いただきました。Foretでは、これらも楽しんでいただける多彩なイベントを企画して参ります。皆様のご参加をお待ちしていますので、どうぞふるってご応募ください。

フクロウ

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