イベントレポート - Foret

上林春松本店 きき茶の会 レポート

風雅を訪ね、サツキを愛でる一乗寺の街歩き レポート

5月29日、五月晴れを通り越して真夏のような陽射しの中、らくたびさんのご案内で一乗寺界隈を巡りました。京都市の東北に位置する一乗寺エリア。修学院離宮や曼殊院などの有名スポット以外にも見どころがたくさん!
はじめに訪れたのは、「鷺森神社」。修学院・山端地区の産土神(うぶすながみ)で、修学院離宮が建設される際、今の場所に移されました。離宮建設のための移転だったため、お礼に橋が贈られ、当時の後水尾天皇も行幸されたとか・・・。
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▲縁結びなどの御利益もある、鷺森神社

鷺森神社の境内を抜けて、隠れ紅葉スポット「圓光寺」を経由し、いよいよ今回のメインスポットのひとつ「詩仙堂」へ。
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この季節の詩仙堂の見どころは、なんといってもサツキの花。庭園は、青々とした新緑と白砂、サツキのピンクと色鮮やかな装い。それぞれのビビットな色合いが、太陽に照らされてとてもきれいでした!
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▲サツキとツツジ、実は同じ「ツツジ属」の花なんです。知らなかった!
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▲鹿や猪の侵入を防ぐ「ししおどし」は詩仙堂が発祥なんだとか。

詩仙堂の隣には、かの剣豪・宮本武蔵ゆかりの「八大神社」が。ここは、武蔵が吉岡一門と決闘する前に立ち寄ったとされていて、境内に二刀流の姿の武蔵像があります。
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武蔵は八大神社に立ち寄りましたが、参拝はしなかったのだとか。その理由は、勝利は神頼みではなく、自分の力で獲得するものだ!と直前に悟ったからと伝わっています。
親鸞が修行の際に身を清めた「聖水」が今も湧き出る「本願寺 北山別院」を経由して、本日2つ目のメインスポット「金福寺」へ。詩仙堂と同じく、サツキが庭園を彩る金福寺は、あの松尾芭蕉ゆかりのお寺で「俳句の聖地」とも言われています。敷地内には、芭蕉が訪れたという庵、「芭蕉庵」があります。現在の芭蕉庵は、時代を経て荒廃していたのを、芭蕉を尊敬する与謝蕪村が再興したもので、小高いところにたたずむ庵から、京都の街が見渡せます。
また、金福寺ゆかりの人物には、大河ドラマ『花の生涯』のヒロインである「村山たか女」がいます。彼女は、井伊直弼の恋人でもあり、幕末の安政の大獄の際、京都の討幕派たちの動きを直弼に伝えるスパイ活動もしていました。直弼が暗殺された後捕えられ、死罪は免れたものの、その後は金福寺で出家し、亡くなるまでを過ごしたのだそう。解説してくださったお寺の方のお話に引き込まれ、原作小説が読みたくなりました。
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▲金福寺の庭でもサツキが満開!与謝蕪村や村山たか女もこの景色を見たのでしょうね
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▲侘び寂びを感じるたたずまいの「芭蕉庵」

金福寺を後にし、解散場所の「一乗寺下り松」へ。
ここにあった松の下で、宮本武蔵と吉岡一門の決闘がおこなわれたそう。
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▲旅人の目印にもなった松の木。今のものは4代目。

終始晴天に恵まれ、暑い中のツアーでしたが、時折山を吹き渡る涼しい風が心地よく、初夏らしい爽やかな街歩きになりました!今後も、知られざる名所をご案内するらくたびツアーをどんどん企画していきますので、お楽しみに!

フクロウ

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