「モザイク」とは、主にガラス、タイル、大理石などのかけらを埋め込んで絵や模様を作る美術装飾です。その起源は遥か紀元前3000年頃まで溯り、最古のモザイクはシュメール文明期の「ウルク神殿」のものと言われています。モザイクは同じ美術でも、油絵や水彩画とは違って頑丈で長持ちするので、建物の壁や床などに取り込まれることで、人々の生活に彩りを与えてきました。今回Foretでは、そんな歴史とアートの息吹を感じる「モザイクタイルを使ったルームプレート作り」にチャレンジしました。
講師は京都・北山にあるモザイク工房「マルモザイコ」を主宰するアーティストの外村まゆみ先生です。大学卒業後、イタリアのラヴェンナでモザイク古典技法を学び、現在は学校や商業施設などのモザイクを制作するとともに、ジャンルの枠を超えた精力的な創作活動を続けていらっしゃいます。
はじめに外村先生からモザイク作品をご紹介いただきました。芸術性の高い作品に感動のため息が出ると共に、自分にも上手くできるかどうかちょっぴり心配に・・・。でもその心配は無用です。初心者の方でも先生が丁寧に教えてくださるので大丈夫!
さっそく、パーツ選びからスタート。プレートになる板は、長いタイプ、短いタイプの2種類。ペンキの塗装を施したお洒落な風合いのプレートで、白と茶の2色からお選びいただけます。そしてモザイクパーツは、タイルやガラスなどさまざまな材質のものをご用意。形も四角だけでなく、細長いものから丸いもの、珍しいものではクローバーの形まで、目移りするほどの種類がテーブルに並べられました。今回はレストランの「ビュッフェ形式」のように、好きなパーツを好きな分だけ自由に選べるスタイルで、色とりどりのキラキラしたパーツ選びを楽しんでいらっしゃいました。
あとはひたすら板の上にパーツを並べていくだけです。正解の無いものだからこそ、余計に難しいのがアートの世界の奥深さです。デザインに迷った時は、1回バラしてリセットすることも大事だそうで、参考までに他の人の作品を見てみるのもいいかもしれませんね。ちなみに、参加者の皆さんの作品を見ていると、文字のデザインで一番に人気があったのが「TOILET」でした。(笑)
終盤に差し掛かり、作業はいよいよ大詰め。参加者の皆さんの秘めたる「アーティスト魂」を引き出す先生の巧みなアドバイスで、独創性溢れる素晴らしい作品になりそうです!パーツの配置デザインが決定したら、パーツの裏面に木工用ボンドを塗ってピンセットを使いながら板の表面にしっかりと固定していきます。最後の仕上げに、吊り下げ用の「ヒートンねじ」を板の上部にねじ込んで紐を通したら、世界にひとつだけのモザイクタイルのルームプレートの完成です。
お部屋の雰囲気をグッと華やかにしてくれる、色鮮やかなモザイクタイルのルームプレート。この日の思い出とともにいつまでも大事に飾っておいてくださいね。